仕事
転職を活用して給料を増やそう|今の会社を辞めずに市場価値を確かめる
U今年の昇給、月3,000円くらいだった。任される仕事は増えたのに、給料は小さな一歩だね。
K月3,000円なら年3万6,000円。今の会社の昇給だけを待つと、大きな差を縮めるには時間がかかるね。
U成果を出しても、社歴の長い人の給料にはなかなか追いつけない。私の努力、社内で迷子?
K人ではなく、給与制度の問題として考えよう。今の会社を辞めずに、別の会社ならいくらを提示するか確かめられるよ。よりみちFIREへようこそ。FIREまで、今日も寄り道しながら考えていきます。
経済的自由に必要な5つの力のうち、今回は本業で収入を増やす「稼ぐ力」の実践編です。
結論は、いきなり会社を辞めることではありません。在職中に求人を見て、自分の経験にどんな給料と役割が提示されるか確かめることです。条件が良くなければ、転職しなくて構いません。
月3,000円の昇給だけを待たない

月給が3,000円上がると、賞与を除けば1年で3万6,000円増えます。もちろん昇給はうれしいものです。しかし、仕事と責任が大きく増えているのに給料が少ししか変わらないなら、社外の条件も比べる価値があります。
たとえば年収500万円から550万円になれば、差は50万円です。月3,000円の昇給だけで同じ差へ届くには約14年かかります。
ただし、転職すれば誰でも50万円上がるわけではありません。大切なのは「上がるはず」と決めつけることではなく、自分に実際どんな条件が出るかを確認することです。
年3万6,000円増
良くなければ動かない
Uでも「実力があれば年収50万円アップ」って、さすがに全員ではないよね?
Kその通り。上がる人も、変わらない人も、下がる人もいる。だから退職より先に条件を見るんだ。成果より勤続年数が給料へ残りやすい会社もある

年功賃金とは、年齢や勤続年数が長くなるほど、給料が上がりやすい仕組みです。すべての日本企業が同じではありませんが、今の仕事の成果より「何年いるか」が給料へ強く残る会社もあります。
この仕組みでは、若手が大きな成果を出しても、社内の給与表を飛び越えて一気に給料を上げるのは簡単ではありません。これは年上の社員が悪いのではなく、会社の給料の決め方の問題です。
国も、仕事内容や必要な技術が曖昧なままでは、働く人が客観的に評価されにくいと指摘しています。そこで、担当する仕事や役割をもとに給料を決める会社も増えています。
転職したい人は1,000万人を超えている

総務省の労働力調査によると、2025年に「今の仕事を変えたい」「別の仕事もしたい」と考えた転職等希望者は、年平均で1,023万人でした。比較できる2013年以降で最も多い人数です。
ただし、その全員が今すぐ応募しているわけではありません。
今の仕事を変えたい、別の仕事もしたい人
求人への応募など、仕事探しをしている人
希望はあるが、具体的には動いていない人
つまり「転職を考えること」と「今すぐ会社を辞めること」は別です。求人を見るだけ、話を聞くだけの人がいても不自然ではありません。
2024年には、早期・希望退職を募集した上場企業が57社、募集人数が1万9人に達しました。うち34社は直近決算が黒字でした。これは毎年すべての大企業が人を減らすという意味ではありません。それでも、会社が黒字でも雇用や事業を組み替えることはあると分かります。
U1,000万人! 求人タブを開きすぎて、ブラウザの方が先に転職しそう。
K今日は3件で止めよう。数を集めるより、自分に近い仕事の条件を見る方が役に立つよ。20〜49歳では45〜50%が転職後に賃金増加

厚生労働省の2024年「雇用動向調査」では、転職後に前の仕事より賃金が増えた人は40.5%、変わらない人は28.4%、減った人は29.4%でした。
20〜49歳に限ると、賃金が増えた割合は次のとおりです。
また、転職者全体の29.4%は、賃金が1割以上増えています。賃金が増えた40.5%の人に絞ると、約4人に3人が1割以上の増加です。年収500万円の1割は50万円なので、給料を大きく変えられる可能性はあります。
一方で、約3割は賃金が下がっています。短期的に下がる転職もあり、誰にでも年収アップを約束できる数字ではありません。増加の数字だけでなく、仕事内容、働く時間、将来の伸び方まで内定条件で確認することが必要です。
転職活動は、今の会社を辞めずにできる

転職活動に退職届は必要ありません。在職中なら、今の給料を受け取りながら、次の3段階を自分のペースで進められます。
- 1求人を見る
自分の経験に近い求人を3件だけ探し、仕事内容と年収の幅を見る。
- 2話を聞く
会社や転職サービスへ、実際の仕事、残業、勤務地、必要な経験を確認する。
- 3書面の条件を比べる
内定が出ても即決せず、今の会社と給料、仕事内容、時間を並べる。
求人サイトや転職エージェントへの登録は、多くの場合、求職者なら無料です。転職エージェントは採用した会社から報酬を受け取る仕組みのため、求職者は費用を払わず利用できます。
ただし、担当者には紹介先へ入社してほしい事情があります。勧められた求人をそのまま正解にせず、希望条件と違う場合は断りましょう。「無料だから全部お任せ」ではなく、情報を集めて最後は自分で決める道具として使います。
U登録したら、もう転職する人として話が進むのかな。会社の机、先に片づけた方がいい?
K片づけなくていい。求人を見ても、面談しても、条件に納得しなければ今の会社に残れるよ。条件が良くなければ、転職しない

転職の目的は、転職回数を増やすことではありません。自分をきちんと評価し、会社にも成果を返せる場所を探すことです。
年収が高くても、長い残業、遠い勤務地、望まない仕事内容で生活が崩れるなら、家計の正解とは限りません。次の5つを今の会社と同じ紙に書きます。
内定後に条件を確認して断ることもできます。良い求人がなければ、今の会社で経験を増やし、半年後にもう一度見る選択もあります。
転職活動をすると、外から求められる経験も分かります。足りない資格や実績が見えれば、今の会社にいる時間を次の準備へ使えます。転職しなくても、社外の評価を知ることには意味があります。
U「今回は転職しない」も、ちゃんとした結論なんだね。
Kもちろん。今より良い条件が出たときだけ渡れる橋を持つ。それが転職活動の強みだよ。まとめ

月3,000円の昇給を待つだけでは、大きな年収差を縮めるのに時間がかかります。2024年の転職者には賃金が上がった人も下がった人もいるからこそ、先に求人と条件を見ます。
給料が増えれば、毎月の家計の黒字を増やし、生活防衛資金や投資へ回せる金額も増えます。ただし、給料のために生活を壊しては意味がありません。年収、仕事内容、時間を一緒に比べましょう。
U今日は今の会社を辞めずに、転職サービスで自分に合いそうな求人を3件だけ確認する。
Kそれで十分。年収、仕事内容、勤務時間だけメモすれば、外から見た自分の選択肢が分かるよ。今日も、FIREまで寄り道しながら。自分たちの選択肢を、一つずつ増やしていきます。
出典と注意事項を確認する
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
- 総務省統計局「労働力調査 2025年平均結果」
- 内閣官房「三位一体の労働市場改革の指針」
- 厚生労働省「令和5年版 労働経済の分析」
- 東京商工リサーチ「2024年 早期・希望退職募集」
この記事は2026年8月時点の一般的な情報です。転職後の賃金や働き方は、職種、地域、経験、景気、会社により変わります。個別の内定条件は必ず書面で確認し、サイトの免責事項もご覧ください。