固定費・節約
賃貸の退去費用を適正にする|原状回復と請求書の見方
U入居時の費用は比べられた。でも退去費用って、最後に言われた金額を払うしかないよね?
Kその場で決めなくていいよ。普通に住んでできた傷みと、こちらの過失を分けて、契約書と明細を確認しよう。
U私たち、昔の退去立会いで20万円以上払ったよね。怖い人にサインを急かされて……。
Kあのときは知識も証拠もなかった。今なら、納得する前にサインせず、写真と内訳を確認する。痛い授業料だったね。固定費削減 第4弾・住居費編 ⑥
よりみちFIREへようこそ。FIREまで、今日も寄り道しながら考えていきます。
前回は、賃貸の火災保険を必要な補償で比べる方法を整理しました。
今回は、賃貸を出るときの退去費用と原状回復です。
退去費用に「一律の相場」はない

「退去費用は高くても5万円」といった一律の上限はありません。部屋の広さ、契約の特約、借主が付けた傷で金額は変わります。
ただし、クロスや床を部屋全体で交換するなど、高額なのに範囲・単価・理由が分からない請求は確認が必要です。

U金額だけでは判断できないなら、どこを見るの?
K場所、修繕範囲、単価、入居年数、借主負担の理由。この五つが説明されているかを見るよ。原状回復は「借りた日の新品へ戻す」ことではない

普通に住んで生じるもの
- 家具を置いた床のへこみ
- 日照によるクロスの変色
- 畳や設備の自然な古さ
故意・過失で生じたもの
- 飲み物を放置した大きな染み
- 引っ越し作業で付けた深い傷
- 掃除不足で広がったカビ
国土交通省のガイドラインでは、通常損耗や経年変化は原則として賃料に含まれると考えます。ただし、契約書に有効な特約があれば負担が変わる場合があります。
こちらの過失でも、新品価格を全部払うとは限らない
クロスは、ガイドラインの考え方では6年で残存価値が1円になるよう借主負担を調整します。
入居直後残存価値が高い
→3年程度価値はおよそ半分
→6年程度残存価値1円
ただし、6年以上なら何を壊しても無料という意味ではありません。故意・過失による工事費や、通常を超える損害について負担が残る場合があります。
U古いクロスを傷つけたのに、新品一部屋分を請求されたら?
K入居年数、交換範囲、借主負担割合の根拠を聞こう。傷の一面だけでなく部屋全体を替える理由も確認するよ。退去前から残す5つの証拠

- 1契約書と特約を読む清掃費、鍵、原状回復、解約予告を確認。
- 2写真と動画を撮る部屋全体と傷を、日付が分かる形で残す。
- 3やり取りを文字で残す電話の後も、確認内容をメールで送る。
- 4明細をもらう場所、数量、単価、負担割合を確認。
- 5納得前に署名しない不明点は持ち帰り、必要なら188へ相談。
退去立会いは、する? しない?
国民生活センターは、可能なら貸主側と一緒に部屋の状態を確認し、写真やメモを残すよう案内しています。立会い自体が悪いのではありません。
Uでも、また強くサインを求められたら怖いよ。
K一人で行かず、同伴者を連れて、録音や写真を残そう。その場は状態確認だけ。金額に納得していなければ署名しない。
U立会いを全部拒むより、確認と合意を分けるんだね。
Kそう。現場では写真を残して、金額は明細を見てから。落ち着いて二段階で確認しよう。
Uその場で財布まで退去させなくていいんだね。立会いをしない場合も、鍵の返却方法や明渡し完了の条件を管理会社と書面で合意します。自己流の解約通知で契約上の期限を外すと、余分な家賃が発生するため注意してください。
請求に納得できないとき
1契約書・写真・明細をそろえる
2管理会社へ根拠を質問する
3解決しなければ消費者ホットライン188
「払わない」とだけ伝えるのではなく、どの項目に納得できないかを具体的に示します。金額が大きい、威圧的、法的な争いになった場合は、自治体の相談窓口や弁護士へ相談します。
まとめ
退去費用で大切なのは、強く断ることではありません。
普通に暮らした傷みと、こちらが付けた傷を分ける。契約書、写真、明細で確認する。
私たちは20万円以上払った経験があるからこそ、その場の空気でサインしないことを家族や友人へ伝えます。
U退去前に、壁と床を動画で一周撮って残しておく。
Kそれが一番強い記録になる。請求が来たら、契約書とガイドラインを落ち着いて照らそう。今日も、FIREまで寄り道しながら。自分たちの選択肢を、一つずつ増やしていきます。
この記事は2026年8月24日時点の一般的な情報です。国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」「賃貸住宅標準契約書」、国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブルにご注意」を参照しました。実際の負担は契約と部屋の状態で異なります。サイトの免責事項もご覧ください。