固定費・節約
出産費用はいくら?3つの公的給付で出産リスクを見直す【2026年】
Uそういえば私、子どもを2人産んだけど、出産のとき助成があったよね?
Kあったよ。出産と育児には、まず知っておきたい3つの公的なお金がある。
U制度の金額は忘れたけど、退院前のおいしいごはんは覚えてる。
K記憶の保存先が食事に寄りすぎ。今日はお金の方も取り戻そう。よりみちFIREへようこそ。FIREまで、今日も寄り道しながら考えていきます。
前回の保険編⑥では、公的介護保険と貯金で介護リスクへ備える考え方を整理しました。
今回は、出産リスクです。
出産でもらえる3つのお金
難しい名前は、役割で分ければシンプルです。
U出産費用だけじゃなく、休んでいる間のお金もあるんだ。
Kそう。ただし全員が3つとも受け取れるわけではない。順番に見よう。1. 出産育児一時金|原則50万円
健康保険や国民健康保険から、子ども1人につき原則50万円が支給されます。
会社員だけでなく、自営業・フリーランスなど国民健康保険の人も対象です。
多くの医療機関では「直接支払制度」を使えます。
健康保険から病院へ直接支払われるので、窓口では出産費用と50万円との差額を精算します。
U出産費用が50万円より少なかったら、残りは病院のごほうびごはん代?
Kごはんへの執着が強い。原則として差額は本人へ支給されるよ。制度の条件は、厚生労働省「出産育児一時金の支給額・支払方法について」をご確認ください。産科医療補償制度の対象外などでは支給額が48万8,000円となる場合があります。
2. 出産手当金|産休中は給料の約3分の2
出産のために会社を休み、給料が出ないときの生活を支える制度です。
対象は、勤務先の健康保険に本人として加入している人。国民健康保険の人や、健康保険の扶養家族は原則対象外です。
U3分の2と言われても、月給20万円なら結局いくらもらえるの?
Kまず月給20万円を30日で割ると、1日約6,667円。その3分の2だから、1日約4,444円だよ。予定日どおりの出産なら、産前42日と産後56日で合計98日です。
U産休中だけで約44万円。給料がゼロになると思うより、だいぶ安心できるね。実際は、支給開始前12か月の標準報酬月額の平均などで計算します。詳しくは協会けんぽ「出産で会社を休んだとき」をご確認ください。
3. 育児休業給付|育休中は67%→50%
雇用保険の条件を満たす人が育児休業を取ると、休業前の賃金に応じて給付を受けられます。
Uこれも月給20万円で計算すると、毎月いくらくらい?
K最初の180日、だいたい6か月は月約13.4万円。その後は月約10万円が目安だよ。子どもが1歳になる前まで約10か月育休を取るモデルでは、次の概算です。
U育休中だけで約123万円。思っていたより生活を支えてくれるね。原則は子どもが1歳になる前までです。
保育所に入れないなどの条件を満たせば、最長2歳まで延長されます。
U給料がそのまま出るわけではないけど、ゼロにもならないんだね。
Kそう。しかも産休・育休中は、条件を満たせば社会保険料も免除されるよ。2025年4月からは、条件を満たして夫婦ともに14日以上の育休を取ると、最大28日間、さらに13%が上乗せされる「出生後休業支援給付」も始まりました。
支給率と延長条件は厚生労働省「育児休業等給付について」、13%の上乗せは「出生後休業支援給付金」をご確認ください。
月給20万円なら、合計はいくら?
Uが月給20万円で、予定日どおりに出産し、子どもが1歳になる前まで育休を取る単純モデルで見ます。
| 制度 | 役割 | 概算 |
|---|---|---|
| 出産育児一時金 | 出産費用 | 50万円 |
| 出産手当金 | 産休98日 | 約44万円 |
| 育児休業給付 | 育休約10か月 | 約123万円 |
| 合計 | 費用+収入減 | 約217万円 |
U約217万円! 「50万円だけ」だと思ってた。
K出産費用だけでなく、働けない期間の生活も支えるからね。会社員の保障は特に手厚い。
U私も受け取ってたのに忘れてた。ごはんの記憶力を制度にも分けたい。概算は月給20万円、単胎、予定日どおり、産休中の給与なし、産後57日目から1歳前日まで約308日育休、最初の180日67%・残り50%として単純計算しました。実際は標準報酬、休業開始時賃金、出生日、会社からの給与、休業日数、上限額などで変わります。出生後休業支援給付は合計に含めていません。
帝王切開や切迫早産なら?
U帝王切開や切迫早産になったら、出産費用に治療費まで重なって、すごく高額になるんじゃない?
K不安になるよね。でも治療にあたる部分には、健康保険と高額療養費制度が使えるよ。正常な出産は原則として保険診療ではありません。
一方、帝王切開や切迫早産などの治療にあたる部分は、健康保険の対象です。
U治療費が100万円でも約9.3万円? 追加10万円前後なら、貯金で備えられそう。
Kそう考えられるケースは多いよ。ただし個室代や食事代、月をまたぐ入院は別だから、少し余裕を持った貯金で備えよう。高額療養費は、保険診療の自己負担が所得別の上限を超えた分を支える制度です。
差額ベッド代、入院中の食事代、出産用品などは対象外です。
出産育児一時金は、帝王切開などでも受け取れます。
厚生労働省の「高額療養費制度を利用される皆さまへ」の2026年8月以降の例です。「出産なび ご利用ガイド」では、帝王切開などの保険診療部分は通常3割負担で、高額療養費の対象になると案内しています。上限額は所得や診療月で変わるため、ご自身の保険者へ確認してください。
出産のために民間保険は必要?
私たちは、出産だけを理由に民間医療保険を追加する必要はないと考えています。
まず、公的制度で受け取れる金額と、手元の貯蓄を確認します。
そのうえで足りない金額が大きいなら、既存の保障や貯蓄計画を見直します。
U「出産が怖いから保険を足す」ではなく、先に公的制度と貯金を見るんだね。
Kそう。妊娠後は新規加入できなかったり、妊娠・出産が保障対象外になったりする商品もある。慌てて増やさない。
U保険のマタニティフォトは撮らなくてよさそう。
K固定費だけふっくら育つ写真になりそうだからね。まとめ
出産にはお金がかかります。
でも、出産費用だけでなく、産休や育休の収入減を支える制度もあります。
知らないまま不安を大きくして、民間保険を増やす必要はありません。
公的保障を知り、足りない分だけ貯蓄で備える。これが、生活の満足度を下げずに固定費を見直す順番です。
U母子手帳と会社の制度案内を並べて、誰に何を申請するか確認しておく。
Kそれだけで不安はかなり減るよ。出産前に窓口と書類を確認しておこう。今日も、FIREまで寄り道しながら。自分たちの選択肢を、一つずつ増やしていきます。
この記事は2026年8月20日時点の公的情報をもとにした一般的な解説です。給付には加入期間、雇用形態、給与支給、休業日数、申請期限などの条件があります。個別の支給額は勤務先、健康保険者、ハローワーク、自治体へご確認ください。あわせて当サイトの免責事項をご確認ください。